2012年 11月 15日
能「井筒」のあとさき
11月3日の山中能舞台は緊張の一日でした。
何しろ家内が初めて舞う能「井筒」、それも私の打った能面「若女・銘白菊」でということですから・・・・
家内が山中先生の教室の門を敲いたのは、母と共に謡を愉しみたいと思ったのがきっかけでした。
聴く者に、能の世界を彷彿とさせる山中義滋先生の素晴らしい謡に魅せられて、今日まで稽古を続けて
きた家内でしたが、 その間に、私は謡仲間の広尾次郎市氏を紹介されて、能面を打つようになり義滋先生
からは舞台で使える能面を教えて頂くようになりました。
お陰さまで、私達の後半生はこうして共通の愉しみをもつ心豊かなものとなりました。 そして私は喜寿の
節に、山中能舞台で能面の個展「無形を写す」を、そして今回、家内は古希を期に、山中雅志先生の懇切な
ご指導で、私の打った能面で能「井筒」を舞わせて頂くことになり、二人にとって「願ってもない幸せ」と共々
感謝の気持ちでいっぱいです。
当日、吉村登氏が撮影して下さった写真と共に、能「井筒」の至福のあとさきを
謡を学ぶ者にとって「一度は能を」というのは「夢」なのです
舞うなら「井筒」をと永年思い続けてきたその「井筒」を、いま正に舞っているのです
「井筒」は世阿弥が完成した「夢幻能」のひとつで、旅の僧が仮寝の夢の中で観た話なのです
「井筒」を舞い終えた家内は、いまあれは夢まぼろしの中でのことだったように思えているのではないでしょうか
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「井筒」 永遠の夫婦の愛情の物語ですよね。
写真や文章から、kame様の、奥様への愛が伝わってきます。 (くさ過ぎるコメントになっちゃいました‥ごめんなさい)
ただただ感謝感謝です。当分は相変わらずの遊び半分の駄文を載せるつもりです・・・