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西蔵カイラス行(1)

    
     西蔵カイラス行(1)    漢詩紀行(9)
    
    今から16年前、チベット高原の西の果てに聳える、聖山[カイラス]・チベット名は「カン・リンボチェ」
    6656mを目指した時の旅の思い出である。

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    初めて仰ぐ聖なる「カン・リンボチェ」は、チベット高原にすっくと独り、そそり立っていた。
    夢中で何枚も何枚も筆を走らせた。氷の壁に縦に走る大きな亀裂は神の啓示かと・・・・・・・。



     永年の夢であったカイラス行は、1996年の5月22日に大阪を立ち、25日間の永い旅だった。
     ネパールのカトマンズからヒマラヤを縦断してチベットへ入り、26日から車で5000mの峠を
     幾つも越えて、北西へ北西へと走り続けて1週間余、ようやくカイラスが見えたのが6月2日のことである。
     ランドクルザー5台に、テント・ガソリンなどを積んだトラックが2台で、毎日150~200キロを走る。
     借り物の地図だが、カイラスへの行程の長いことは判って頂けるかと。

西蔵カイラス行(1)_d0156718_10435681.jpg





      西蔵カイラス行  

   西蔵 曠原 途渺茫         西蔵 曠原 途渺茫たり

   
   馳車 旬日 遂頽陽         車を馳せて 旬日 頽陽を遂ひ 

   遥天 拝望 聖山頂        遥天 拝望 聖山の頂

   清浄 六根 羈思長         清浄 六根 羈思長し
  
    


       チベットの  西の果てしに  在ると聞く

  
     聖なる山を  訪ねんと  広大無辺の 荒野をば 

       路なき路を  ひた走り  橋なき河を  また渡り 

       沈む夕陽を  追い続く  日々を重ねて  ようやくに

       遥かに望む  聖山は  地平に白く  独り立つ  

       六根すべて  清らけく  思いをこめし  旅の空  

       夢まぼろしの  山そこに 

     

    
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         5月29日、ネーラムトン・ラより、ヒマラヤのシシャパンマ(希夏邦馬)峰8027mを望む。

       ヒマラヤ8000m峰14座の一つで、別名ゴサインタンの名でも知られる名峰。 1964年に中国隊に
       よって初登頂がなされた。 ネーラムトン・ラのラは峠のことで、峠の標高は5180m。
       これまでネパール側から見ていたヒマラヤ山脈の名峰を裏から見ることになる。 平均4000mの
       チベット高原から見るヒマラヤは思いなしか、少し穏やかに見えた。

       果てしないチベット高原は、砂漠・草原・岩山と表情を変えながら何処までも続く。そして草原の彼方には、
       放牧の白い羊の群れ、黒い大きなヤク(チベット牛)の群れが・・・・・・。
by kame0401 | 2012-06-11 15:47 | 漢詩紀行 | Comments(0)

人生二毛作を目指して・・・

by kame0401
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