敦煌莫高窟

   敦煌莫高窟  漢詩紀行(6)


長年の憧れの地「敦煌」も今は飛行機であっと言うまに到達するので、
これは果たして喜ぶべきか、複雑な気持ちだったことを覚えている。
このときは参加者が家内と二人だけのツアーで、ここから更に西へ陽関
まで足を伸ばした思い出深き旅となった。
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                               敦煌莫高窟と鳴沙山の遠望


      敦煌莫高窟


   遥望 幾百 窟門聯         遥に望めば幾百の窟門聯なり
   

   恰若 蜂窩 崖壁穿         恰も蜂窩の崖壁に穿つが若し

   坐聴 何来 風鐸韻         坐に聴く何来風鐸の韻き

   鳴沙 山頂 度秋天         鳴沙山頂秋天に度るを  
  
  



   遥か望めば 断崖に 蜂巣さながら 穿たれし
  

   幾百数う 石窟は あまた仏の ましまして

   そぞろに聴ゆ 風鐸の さやけき響き いずこより

   降りそそぐかや 風に乗り  

   窟の上なる 鳴沙山 碧きみ空を 渡りゆく  




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この本は、東大寺の長老清水公照師の随筆で旅の印象を綴られたもの。
限定特装本で、表紙は漆の蒔絵仕上げで蒔砂子は敦煌莫高窟・鳴沙山の
砂が使われている。


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私も鳴沙山の砂を記念にと持ち帰り、さて何に使おうかと思案の末。
悠久の歴史の時を刻んだシルクロードに想いを馳せるのには、砂時計
が一番と思い定めて出来たのがこれ。


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その昔、NHKの特集番組シルクロードの中で、喜多郎のあのテーマ曲を
バックにラクダの隊商が歩む足もとで砂漠の砂が流れるさまを憧れを籠め
て見つめていたことを思い出しながら。

こうして写真に撮ると、砂は螺旋を描いて落ちているように見える。
160分の1秒で撮ったこの写真は、時が止ったように見えるその一瞬を捉え
ている。

私も自分の写真を撮れば、それはこの砂時計の砂と同じで永くも短い私の
人生を止った一瞬として捉えることが出来るわけだ。 いまそこに写って
いるのは、今日まで拙を守り生きてきた私の人生のまさに断片なのだ。

そして、砂時計の砂山が見せる姿が刻々遷ろい決して同じ姿を見せない
のと同じく、もはや誰もこの写真の私に会うことは叶わないのだ。

「敦煌・鳴沙山の砂・時」の三題話はこれでおしまい。お粗末!

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                     2011年5月7日 10時14分 13分の1秒間に存在した私


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by kame0401 | 2011-05-24 13:35 | 漢詩紀行 | Comments(0)

人生二毛作を目指して・・・
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