ファド  わが夢の旅物語  漢詩紀行(4)

  

     ファド    わが夢の旅物語・リスボン
  


私が、ファドと出会ったのは、大学を出て教師になったばかりの頃である。

同期のI君と観に行ったフランス映画「過去を持つ愛情」の中で、アマリア・ロドリゲスが
酒場で唄う「暗いはしけ」を初めて聞いた。これがファドとの最初の出会いである。

映画のテーマ曲でもあった「暗いはしけ」と、主演女優のフランソワ―ズ・アルヌールの
小悪魔的な魅力に酔いしれ、そのあとバーで遅くまで語り合ったのを今でも覚えている。
I君とは、なぜか気が会い、勤め帰りに 毎日のように、バーや喫茶店で駄弁っていた。
しかしその彼は、30歳の若さで急逝し、今は当時を語り合うことも叶わない。

刻は流れ、50余年後、ツアーで訪れたポルトガル、目的の一つは勿論ファドである。
自由時間に、友人夫妻と一緒に入ったのは、リスボンのファド酒場「A.Severa」である。
探し中てたこの酒場、日本人は我々4人だけ、テーブルの横で真近に唄うファドを聴き
ながら飲む酒、異国情緒満喫のひと時であった。

こうして、念願のファドを現地で、生で聴くことになろうとは、あの当時には夢にすら
想像することは出来なかったことである。

まさに、青春の夢の旅であった。



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この男性歌手、名前を聞き忘れたが渋い良い声だった     
ファド酒場「A.Severa」にて   2006.1.20 


    ポルトガル民謡ファドを聴く 

     陋巷 徘徊 憩酒楼        陋巷を徘徊し酒楼に憩えば

     青蛾 妓女 竹枝謳        青蛾の妓女竹枝を謳う

     南蛮 鴃舌 使人酔        南蛮鴃舌人をして酔わ使め

     吟嘯 綿々 浮世憂        吟嘯綿々浮世の憂いを



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張りのある美声の歌姫 ELSA COIMBRA が唄う
スケッチの名前は LINA SANTOS が書いてくれたもの     ファド酒場「A.Severa」にて


 
     リスボンの坂の下町  彷徨いて  狭き路地裏  街角に  

     ひと刻憩うファド酒場   南蛮の青き眉引く歌姫の

     なじか知らねど旅人の  心酔わしむ  その声は  

     百舌鳥の囀りそのままに  吟じるがごと  朗々と

     嘯くがごと  綿々と  儚き浮世  唄いあぐ 




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百舌鳥の囀りそのままに・・・・・   LINA SANTOS が唄う
サインは彼女が   ファド酒場「A.Severa」にて


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ステージを設けない小さな酒場、私たちのテーブルの横で唄う彼女、スケッチにサインをもらい、
CDを買うと、それにもサインを。 宿願の、ファドを生で聴き、ほろ酔いの旅ごころは、まさに夢心地

ポルトガル語の、saudade (サウダーデ)は、ポルトガルの人たちの独特の感情を表す
言葉だといわれ、ファドに歌われる感情表現も、まさにサウダーデなのだろう。
日本語では、言い表せない、郷愁、哀愁、憧憬、思慕、追慕、切なさなどなどの入り混じった
想いだという。 しかし、私がファドに心魅かれたのは、ファドには、どこか日本人の心の琴線に
触れるところがあり、演歌を愛する民族性のせいかもしれないと。


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海側から望むリスボンの下町ALFAMA。  ここは坂の街、ファドの酒場も多い 
描き損ねたが、リスボンの街の小さな路面電車は風情があり、街に溶け込んでいる

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リスボンのホテルの窓から

リスボンの街の人から、君もっと綺麗なところをがあるだろと、叱られそうだが、
私は、このゴチャゴチャしたところが大好き

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  わが青春の歌姫アマリア・ロドリゲスの歌声をどうぞ  「暗いはしけ」を







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Commented at 2010-10-18 01:34 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by kame0401 | 2010-10-13 00:42 | 漢詩紀行 | Comments(1)

人生二毛作を目指して・・・
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