昔咄・拾い物名人伝  kameの独り言(3)


      「 昔咄・拾い物名人伝 」 (山馬蝗社刊) より           

   岩魚から恋まで / 何んでも拾う男



  それは 昔むかしのことじゃがね /

  あるところに ,拾い物名人と自称する山好きの男があったじゃないの /

  その男が やはり山好きの嫁御ば連れて黒部の源流を目指しとった時のことじゃった /

  河沿いの細い道を歩いていると 川上から一人の釣り人が下リて来たのに出会ったと /

  男は その釣り人に「釣れたかのう」 と声をば掛けたと /

  すると 「釣るには釣れたど 途中で落してしもうたで・・・」 と答えたじゃないの /

  男は この親爺 負け惜しみで釣れたと言うとるべなと 思ったど声には出さなんだ /

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  男は それから さらにずんずん上っていったと /

  したら ななナント道端にば 笹の枝に刺した大きな岩魚が2匹も落ちてるじゃないの /

  嫁御は びっくり オッたまげ 不思議なことも あるもんだ /

  男は しめしめ しめこの兎だ 棚からぼた餅 あるもんだ /

  そして 男は思ったべ 先の釣り人は 熊っこの 精に違いねぇ~

  岩魚を背負って歩くうち わざと落としてくれたのさ /

  その晩 テントを張った山好きの夫婦は早速焚火ばしたもんだ /

  晩飯しは 熊っこがくれた落し物  大きな岩魚を串に刺し 焼いてさ 食ってさ /

  それはそれは 旨かったとさ /

  山好きの嫁御は 拾い物名人と みょうとになって良かったと思ったべな /

  嫁御の話では 男は魚籠ごと岩魚を拾ったことも あると言うから驚くじゃないの /

  何でも良くひろう 拾い物名人のこの男に 一番の拾い物は何かと聞いたらさ /

  そんなこと聞くでねぇ~ と男は 照れながらも そっと 山好きの嫁御よ と答えたと /

  この夫婦は 熊の落し物に味を占め それからも 仲良く山登りを続けたそうな /

  めでたし めでたし /









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by kame0401 | 2010-06-21 01:00 | kameの独り言 | Comments(0)

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