古面「深井」の修理裏表

    古面「深井」の修理裏おもて     能面雑話(21)

  修理を依頼されていた「深井」が、この程ようやく出来あがった。  よい雰囲気の古面であるが
  左側が大きく割れて、金具で留めてあり、木地が露出している。両目の瞼と唇と奥の歯が欠け、
  全体に胡粉が浮いているところが多く、かなり神経を使う厄介な修理になった。
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修理を終えた古面「深井」のお披露目

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修理前の写真、裏にまで回っている割れを、木屑と接着剤を練ったもので埋めて固定し、その上に
胡粉を塗り彩色をする。裏は漆を塗って補強と補修をする  写真は少し濃いめに写っている
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修理した部分を、隣接する古面の色と艶に限りなく近付けることが修理の最も難しい処だ
全体的に古面の汚れや胡粉の欠けと調和するように、適当に汚すのもこの手の修理のコツ

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古面は、大抵幾度か修理をした痕があり、先人の苦労が偲ばれると共に、教えられることが多い

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依頼主は少し綺麗になりすぎた、とのことだったが、私としては、この女面の声なき声を聴いて少しでも
美しくと務めたことを後悔していない。



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by kame0401 | 2013-02-25 09:55 | 能面雑話 | Comments(0)

大正川の畔/生命の輝き   カメラは視た(43) 

   大正川の畔/生命の輝き   カメラは視た(43) 


        お見事!   アオサギ君の早業盗撮


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        姿勢を低くして何か狙ろとるで
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        アッと思もた瞬間この凄い水飛沫や・・・見えへんけど もう咥えとるようやで・・・・1/500秒では無理か
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        おお!やっぱり嘴にはチャンと魚を咥えとるがな  お主やるな!      
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        魚と一緒に水中の草や枝も一瞬にガバッと咥えるんやな   こら凄いな!
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        オッ飲み込んどるで  魚の腹がまだ少し見えとるがな
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        ほんまに「一気飲み」やな   喉ごしがピクピクして堪らんのやろな
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        アンタ  例の噂の盗撮屋さんやろ  ブログに載せてるってホンマでっか

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by kame0401 | 2013-02-17 18:23 | カメラの眼で | Comments(0)

レプリカの光と陰

           レプリカの光と陰    雪野寺の童子像

       この塑像はレプリカである。それを承知で手に入れたのは、この11センチばかりの小さな塑像
       の魅力に惚れたからである。 それと、この童子像をみた時に以前どこかで観たことがあると
       感じていたことも、の動機になっている。
       このレプリカはプラスチック製であり、手にとって見ると軽いし敲くと音が違うのですぐそれと
       判るが、塑像の質感はそこそこ再現している。
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       永い間気になっていた以前何処かで観たと言う謎は、ある日偶然に解けた。それは書棚の白州正子
       の本のなかにあった。 その「近江山河抄」という本に出ていた近江の雪野寺跡出土の童子像
       の写真がそれだった。
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       白州正子は、この童子像のことを次のように記している。

       「それはむざんに壊れており、不器用についだ傷あとが痛々しかった。 が、秀でた眉の線の
       たしかさ、唇と顎のあたりのふくよかなぬくもりは、あきらかに白鳳の面影を伝えていた。
       軽く閉じた眼からは、今にも涙の一滴がこぼれ落ちそうで、その崇高とも無心ともいえる表情
       から、私は拝んでいる姿を想像した。・・・・・・」


       この童子像は、現在京都大学の総合博物館に収蔵されているが、netで見た雪野寺出土の塑像
       には、ほぼ同じ童子像で口を開けて叫んでいるようなものもあり、それは法隆寺五重搭の群像を
       思わせるものがある。  レプリカなれど私のガラクタ美術館お気に入りの逸品である。

       レプリカも最近では美術館で、本物の影武者として展示されることもあり、美術品の保存の為とは
       いえ難しい選択ではある。 本物のダイヤモンドは金庫に入れ、外出には模造のダイヤを付ける
       人がいるという。 本物をもっている人が付けていると模造でも本物に見えるというから厄介だ。
       レプリカの光と陰はまさに人間の心の光と陰が投影しているのだろう。

by kame0401 | 2013-02-09 20:07 | 私のガラクタ美術館 | Comments(0)

わが青春の愛読書

     

     わが青春の愛読書 平山修次郎著 「原色蝶類図譜」 三省堂

      現在この本は、我が家にはない。何時どこで失ったのか不明なのだが、必死に蝶を追いかけていた若い頃の、
      愛読書であった。  図鑑と言うのは普通は、種名が解らない時に披いて調べるものだが、当時の私は、
      勉強もしないで暇があれば、この本を開いて蝶の写真を眺め記述を飽きることなく読み返していた。
      だから山で初めて出逢った蝶でも、名前は思いだせなくとも、あのページのあそこに載っていた奴だと、
      旧知に出逢ったような感覚を覚えたものだった。

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      これは私が採集した「フタオチョウ」と言う蝶で、我が家に残る僅かな標本箱の中で思い出深い一点である。
      標本に付けられた小さなラベルには、沖縄本島の北部「今帰仁(なきじん)」1961年8月24日とある。
      わが青春の愛読書「蝶類図譜」のフタオチョウの項目には、確か「沖縄今帰仁に産すれど稀なり」と記されていた
      と記憶する。   
      1961年と言えば、まだ沖縄は復帰前で、渡航は大変だったが、ともかく今帰仁に行けば出逢えるかもしれないと、
      愛読書に導かれて出かけたのである。
      果たせるかな 今帰仁城の高い木の上を飛ぶフタオチョウを見付けた時の興奮を今でも覚えている。
      随分古い標本であるが、今は採集することをやめた私にとっては、懐かしく青春の一頁を見るような心地がする。
      
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      上の写真はネットで探して見付けた「蝶類図譜」である。もう一度手にとって観てみたい衝動に駆られ、
      6,500円という値段もそう高いとは思はなかったが、結局買うのはやめた。
      何故なら、それは私の手垢に染まったあの愛読書とは似て非なるものでしかないことに気が付いたからだ。
      「思い出」は思い出の中にしか存在しないと言うことだ。

 

by kame0401 | 2013-02-01 20:54 | kameの独り言 | Comments(2)