鼻欠けの「深井」 能面雑話(17)

   
     鼻欠けの「深井」   能面雑話(17)  
   
    「能のある空間 実演尽し」 山中ガショウ師  9月25日 山中能舞台 
  
   当日の実演で、仕舞「海士」に使われた能面は、越智作「深井」の写しで、
   私の旧作の一つ。桐を使い、鼻も少し欠いて雰囲気を出そうと試みてみた
   ものの、本面の茫漠とした表情を写すことは到底無理だったが・・・・。
   ともあれ、ガショウ師の熱演に応えることが出来ただろうか?


    その越智作と伝えられる深井は、白州正子の書「能面」にも載っているが、
   元は因州池田侯所蔵で、その後橋岡家を経て現在は、篠山の能楽資料館の
   所蔵になる名物面である。 桐で作られており、そのためもあってか鼻や顎の
   一部がかなり欠けている。
    橋岡久太郎師が「山姥」の前シテに、観世寿夫師が「藤戸」の前シテに使った
   という。

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by kame0401 | 2011-09-27 09:15 | 能面雑話 | Comments(0)

大聖歓喜双身大自在天 私のガラクタ美術館(11)

  大聖歓喜双身大自在天   私のガラクタ美術館(11)


 今回の、ガラクタ美術館の蔵品は、全長9センチの木造歓喜天である。例によって、出所も
 由来も不明のものだが、財運・福運の守り神として大事にしている逸品の一つである。
 肉眼では良く見えない部分も、写真に撮り拡大すると、その彫りの冴えに驚かされる。

 歓喜天と呼ばれるものは、象頭人身の単身像か、抱擁している象頭人身の双身像のものが
 多いが、この像のように、象天・女天2体の立像が向き合って抱擁しているものは珍しい。

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 密教の歓喜仏を連想させるような男天・女天が抱擁し合う表現を含むためか、この種の
 双身歓喜天像は秘仏とされて一般には公開されないのが普通だという。

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            ガネーシャは、象の頭をもつヒンズー教の神で、ヒンズー教最高神とされるシヴァ神を父に
            パールヴァティーを母に持ち、シヴァ軍団の総帥を務めたとされている。
            古代インドでは、もともとは障碍を司る神だったが、やがて障碍を除いて財福をもたらす神
            として広く信仰されるようになった。
            悪神ガネーシャが十一面観世音菩薩によって善神に改宗し、仏教を守護し財運と福運を
            もたらす天部の神とされ、日本各地の寺院で祀られている。

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 女天は十一面観世音菩薩の化身だとされ、美しいお顔と慈悲深い眼差しは魅力的である。
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            ガネーシャも女天に諭され、仏教に帰依して眼差しも優しくなり、願い事を叶えてくれそう。

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by kame0401 | 2011-09-20 12:05 | 私のガラクタ美術館 | Comments(4)

小面 能面雑話(16) 美容整形?

    小面     能面雑話(16) 美容整形?

  「顔を洗って出直せ」という言葉があるが、能面を打っていて、やっと出来あがった
  面も日が経つにつれて、いろいろ気に入らないところが見えてくるものである。
  そのときは、思い切って洗って彫りなおし、彩色も新たに出直すことがままある。

  能面を洗うより、まず作者自身の「顔を洗って出直せ」と言われるやも・・・

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  小面は石川龍右衛門作の小面が有名であるが、私の好きな小面に越智吉舟作のものがある。
  今回のものは、その越智型のもので、龍右衛門の「雪の小面」とは少し雰囲気を異にする。

      願わくば、華の舞台の舞姿、観たやこの子の夢まぼろしを・・・・



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by kame0401 | 2011-09-07 15:31 | 能面雑話 | Comments(0)