2017年 04月 03日
命短し恋せよ山男
求めて山に登るようになっていた。 山と蝶に恋していたこともあり、どちらかというと女性は苦手で
好意を持たれていても気がつかない野暮天でもあった。それが山好きの彼女と出会い結婚に漕ぎ
つけたのは34歳も暮れようとして いた。独身時代に5月の連休に上高地に入り雪に閉ざされたその
魅力に取り付かれていた私は新婚旅行は雪の上高地と心に決めていた。式の翌日登山靴を履い
て大阪を出その日は島島宿の千代の家旅館(一泊1800円)に、次の日は中の湯までタクシーに乗り、
そこから歩いて真っ暗な釜トンネルを抜けるとそこは雪の上高地が待っていてくれた。
親には帝国ホテルに泊まると言って出掛けたが、実は冬季休業中で新婚旅行は帝国ホテルの番小屋
だった。当時この小屋には木村のおじさんと呼ばれていた名物番人 が居り小屋の裏手には彼が雪の
上高地で仕留めたテンの毛皮が板に張り付けにされていたりした。この時描いたスケッチがこれで、
今年は結婚50年になるから今見返すと懐かしいものがある。
当時帝国ホテル番小屋は一泊600円だった、安い新婚旅行である。
そうだあの時木村のおじさんの仕留めたテンの毛皮を買い求めて彼女にプレゼントしたはずだが・・