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わが青春の自我像

  わが青春の自我像  kameの独り言(13)

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   1954年(昭29)、22歳の自画像である。大学を出て教師になったばかりの頃である。
  スケッチブックを整理中に、段ボール箱の底から出てきた一枚だが、引っ込み思案の癖
  に強情で、天の邪鬼で突っ張って生きていた時代の貴重な自我像である。

   その頃は、景気も悪く就職難で、やっとありついたのが定時制高校の生物教師の口、
  しかし昼間を自由に使える有難い身分だった。大学出の公務員の初任給が確か9,800円、
  宿直すると380円だったように記憶する。既製の背広が13,000円もしていたし、米穀通帳
  がまだ幅を利かせていて、食堂に外食券を出して飯を食う時代だった。

   同期に就職した同僚の I 君とは、なぜか気が合い,勤め帰りに南の盛り場で、連日の
  ように遅くまで飲んで駄弁り、明日の夕方までタップリある自由時間を満喫していた日々
  だった。
   昭和38年、福井豪雪の正月に、彼の故郷の福井を訪ね永平寺や東尋坊を共にしたこと
  があったが、その年の春に30歳の若さで急逝し、今はその頃の話をすることも叶わない。
  彼の好きだったテネシーワルツを聴くたびに、私とは正反対の文学青年だったニヒルな
  彼の横顔をいまも思い出す。

   当時を思い出させてくれた此の一枚の自我像も、今は紙も焼けて黄色くなり、端の方は
  ボロボロと崩れそうな状態で、主人公の私同様に60年の時の流れを感じずにはいられ
  ない代物である。



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by kame0401 | 2011-11-21 11:32 | kameの独り言 | Comments(0)

人生二毛作を目指して・・・

by kame0401
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